いまロシア人選手がアツい! アンドレイ・ルブレフ

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男子のプロテニス界では、特に昨年からロシア人選手の活躍が目立ってくるようになりました。

非常に個性的な選手が多く、それぞれにキャラクターが立ち、プレースタイルも異なっており、存在感が増してきています。

その証拠に、すでにメドベージェフとルブレフがトップ 10 にランクインしており、また過去にトップ10に入ったことのあるハチャノフも健在です。先の全豪オープンでベスト4に進んだ伏兵のカラツェフも頭角を現してきています。

これからのテニス界をリードする選手が数多く存在するロシアという国は、これから更に注目されるでしょう。

そこで、今回は私の好みも含めツアーで存在感を高めているロシア人選手についてまとめてみました。

目次

アンドレイ・ルブレフ

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アンドレイ・ルブレフは、私がいま最も将来が期待されるイチオシの選手の一人です。

2020年から一気に結果を残し始め、2021年3月21日現在、世界ランキング8位のトップ選手となりました。

2017年の Next Gen ATP FINALS の試合を見てから彼のプレーに注目するようになりました。

最近では、ATP 500 の大会で2020年から現在までに 23 連勝という歴代2位となる記録を達成しました。これは、ロジャー・フェデラーの持つ 28 連勝に次ぐ素晴らしい記録です。

また、グランドスラムでも直近の 3大会で連続してベスト8まで勝ち進んでおり、大舞台でも安定した成績を残しています。

まだ弱冠 23 歳の若手選手であり、今後の活躍がますます期待される選手の1人です。

基本情報

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  • 国:ロシア
  • 身長:188cm
  • 生年月日:1997年10月20日
  • 年齢:23歳
  • 体重:75kg
  • 利き手:右
  • バックハンド:両手打ち

2020年の成績

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2020年は、アンドレイ・ルブレフにとって飛躍の年となりました。

世界がコロナ禍に翻弄され、テニスの世界でも影響が大きく大会数が制限される中で、2020年の最多優勝回数となるツアー5勝を記録しました。また、ツアーで41勝を挙げこの年の最多勝記録となりました。

2020年成績
  • シングルス:41勝10敗

プレーの特徴

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プレースタイルは超攻撃的なストローカーで、特にフォアハンドはあらゆるボールに対して常にフルスイングして攻撃していくハードヒッターです。

フォアに来たボールは、ほとんど全てと言っても良いくらいフルスイングし、クロス、逆クロス、ダウン・ザ・ラインに鋭く強力なストロークを打ち分けるテニスは、見ていて非常に爽快です。

速いテンポで次々と連続して低弾道の高速なストロークを相手コートに打ち込み続けるプレースタイルは、ツアー屈指のエキサイティングなテニスだと思います。

また、強力なストロークを打ち分けることで相手を圧倒し試合を支配する様は、テニスをする人、観戦する人など多くのテニスファンにとっても憧れる魅力的なプレーに映る筈です。

まさしく、彼のプレーがプロテニスの醍醐味そのものを体現していると言っても過言では無いでしょう。

個人的にも、このアグレッシブなベースライナーというプレースタイルが好みであり、その一つの究極の形がルブレフだと考えています。

しかも、ベースライナーでありながら、身長 188cm から放たれる Max 210 km/h を超えるビッグサーブを併せ持つという理想的なプレーヤーです。

私は、アガシ世代(年齢がバレますね)ですが、錦織選手の多彩なプレーを含めても、テニス史上最も好きな選手の1人です。(異論は受け付けます・・・)

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ただ、ストローク力が凄まじいため、力押しで押し切るプレースタイルなので、プレーがワンテンポで単調になりやすい傾向にあります。 強烈なストロークを何度も打ち込んでも、それをしつこくディフェンスされた時、特にベースライン付近に返球され続けた場合により強く厳しいボールを難しいコースに狙おうとして無理をして堪えきれずに自分からミスを重ねる場面も散見されます。例えば、ジョコビッチやメドベージェフなどのプレーヤーがこれに代表されます。

また、ストロークのスピン量は十分に多い部類に入りますが、弾道が比較的低く、多くのストロークラリーにおいて低い弾道かつ速いボールでの展開となるのが特徴です。

そのためラリーのテンポが単調になりやすい傾向にあります。

チェンジ・オブ・ペースを意識して使えるようになると、相手のタイミングを外すこともでき、より強打を活かせる様になるでしょう。例えば、弾道の高いスピンのしっかり効いたループボールなどを効果的に使えるようになると、より試合展開を有利に運ぶことができるでしょう。

低い弾道の速いボールでストローク展開するスタイルは、相手の時間を奪うことができるため多くの場合において非常に有効ですが、そういった速いテンポを苦にしないプレーヤーにとってはカウンターでルブレフの時間を奪うことも可能なため、ワンテンポになりがちなプレースタイルは対戦相手や状況によっては見直す必要があるかもしれません。

この点は、今後より上を目指すためには非常に重要な課題になります。

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ラリーの展開の中でネット前に誘き出された時などのプレーはあまり器用ではありません。ベースライナーなので、基本的にはネットプレーに出ることは非常に少ないです。その為、ボレーはあまり上手ではなく、ボレー技術の向上も今後の課題かと思います。

強力なサービスとストロークを持っているため、サーブ & ネットなども織り交ぜて行けると、テニスが単調にならずに攻撃の幅も広がりプレーが予測されにくくなり、また相手にもネットを取る事によるプレッシャーを掛けることが可能になり、よりサービスゲームがキープしやすくなるでしょう。

このように未だ発展途上の選手であり、非常に練習熱心な選手なので、これからもドンドンとプレーの幅を広げて、完成度の高い選手になることが期待できます。

上記のようにプレーヤーとして未完成で改善点も幾つかある中で、それでも既に世界ランキングで 7 位を記録し、堂々の TOP 10 プレーヤーになっている訳ですから、今後の期待も膨らむという事です。

フォアハンド

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コンパクトなスイングながら、シャープで鋭い振り抜きで強力なストロークを放つことができるのが特徴です。非常にスイングスピードが速いです。

この鋭い振り抜きから、早いタイミングでテンポ良く放たれるストロークに対応するのは、トッププロでも至難の技と言えるでしょう。

先に述べましたが、ルブレフのテニスは、強力なフォアハンドを軸に相手から甘いボールを引き出し、ウィナーやウィナー級のショットでポイントを重ねる展開を得意としています。

特に、フォアの逆クロスはルブレフの最も得意なショットであり、このフォアの逆クロスで主導権を握る展開を攻撃の軸としています。

バックサイドに来たボールに対してフォアに周り込み、強烈なフォアの逆クロスでエースを奪う、相手をコートの外に押し出し甘い返球を引き出して、ダウン・ザ・ラインに打ち込む展開が多いのがルブレフのプレーの特徴です。

これがルブレフにとっての最も典型的なポイントを奪うパターンと言えます。

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また、フォアの逆クロスを大きく意識させておいて、そのままダウン・ザ・ラインに打ち込みエースを狙う、甘い返球を引き出し優位に展開するパターンも多いです。

この強烈なフォアの逆クロスとダウン・ザ・ラインの攻撃は非常に破壊力があり、相手にとっては一度強打を許してしまうと後は防戦一方となり、フォアの連続攻撃の前に屈することになります。

対戦相手にとっては、如何にしてルブレフに構えて打たせないか、がポイントを取る鍵になります。

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さて、そんなルブレフですが、別の特徴もあります。

強打を主体とするプレースタイルの選手の多くは、強力なショットを打ちながらも、強打をしているが故に自ら先にミスを犯す場面が多くなりがちですが、ルブレフの場合、非常にストロークミスが少ないという特徴があります。

ほとんどのボールをフルスイングして強烈なストロークを連続して叩き込みながらも、アンフォースト・エラーは非常に少ないです。

対戦相手や試合展開、特に試合中のセット数にもよりますが、1 試合におけるアンフォースト・エラーは 10 本台に抑えています。

これだけの強打を連続して打ち込むプレースタイルの中で、このアンフォースト・エラーの少なさは驚異的ですし、驚くべき一貫性だと感じます。

逆に、負ける試合は 20 本台のアンフォースト・エラーを記録することもあり、試合を通してアンフォースト・エラーが多ければ敗戦し、少なければ勝利するということでしょう。

この点は、強打を連続で打ち込み続けるプレースタイルが、その勝敗を左右している証ですし、鍵となっています。つまり、試合展開や結果は、ルブレフが気持ち良くフォアを叩き込めたかどうかで大きく左右され、良くも悪くもルブレフ次第ということです。

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バックハンド

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バックハンドについては、フォアハンドがツアー屈指の非常に強力なストロークである為にあまり話題に登ることはありませんが、非常に強力で安定したバックハンドを持っています。

特に昨年あたりからバックハンドの精度や威力が上がってきており、クロスコートの打ち合いから、積極的にダウン・ザ・ラインに打ち込むなど、攻撃のバリエーションが増えてきている印象です。

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昨年あたりから、バックハンドのクロスコートの打ち合いでも主導権を握ることが多くなりました。

バックハンドの威力も十分にあり、非常に安定しているため、バックのクロスコートの打ち合いから、甘いボールを引き出した上でフォアに回り込み、フォアの逆クロスの厳しい打ち込みから主導権を握り、フォアのダウン・ザ・ラインで仕留めるといった展開も攻撃パターンの一つにしています。

両手打ちのバックハンドでは守備範囲に限界がありますが、優れたフットワークと高いバランス能力により、サイドに追い込まれた厳しい態勢でも両手でクロスに強烈なショットを打ったり、そのままストレートに流してエースを取ることも可能です。

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サーブおよびサービスゲームでの展開

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強烈なサーブも大きな武器の一つです。

フラット系のファーストサービスは、最速 210km/h 後半を記録し、ワイドサーブでも 200km/h を超える高速なサーブ、時には 210km/h に迫る速度を記録することもあります。

ファーストサーブはスライス系やスピン系のサーブも使い分けることができます。

デュースサイドでは、スライス系のワイドサーブを軸にエースを狙ったり、甘いリターンを引き出すことが可能です。

センターへの高速なフラットサーブも強力です。

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アドバンテージサイドでは、相手のバックハンド側となるワイドサーブ、ボディサーブを多く使う印象です。ただし、マッチポイントでは、隠していたセンターのコースに入れて勝負に出ることも多いです。

サービスゲームでのポイントパターンは、サーブからの 3 球目攻撃で仕留めるパターンです。これは、近年の男子テニス界における王道の攻撃パターンと言えるでしょう。

強烈なサービスから相手を崩し、ストロークエースで決めるのは、ショートポイントが必須となる現代テニスにおいて、勝負を決する非常に重要なプレーですし、トーナメントという長い戦いで体力を温存し、勝ち上がって行くためには必須の要素となっています。

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このように、サービスゲームでは強力なサーブを起点に甘くなったボールを打ち込むという 3 球目攻撃の展開に持ち込みやすいため、「サービスゲーム取得率」では、ビッグサーバーが上位にランクインしやすいという事情の中、フェデラーの下、ジョコビッチより上の 11位(86.10%、2020年)に位置しています。

また、勝負どころやゲームポイントなど展開によっては、相手にバック側を意識させておいて、センターにフラットサーブや縦回転が多めのスライス系サーブでエースを狙いに行ったり、甘いリターンを引き出す戦略を取ります。

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Serving for the Match (サービング・フォー・ザ・マッチ) におけるマッチポイントでは、ワイドサーブを多用するイメージがあります。特に 40-15 のマッチポイント (デュースサイド) では、ワイドサーブからセンターに甘く返球されたボールを逆クロスにストロークエースを叩き込むというルブレフの代名詞とも言えるプレーで試合を決める事が多い印象です。アドバンテージサイドのマッチポイントでは、やはりワイドサーブを多く打つ印象ですが、これはワイドサーブでのエース狙い、リターンされても 3 球目攻撃で仕留められるという絶対の自信を持った攻撃パターンということから撰択していると思われます。

このように、明確なポイントパターンを持っていて、重要な局面でも自らの代名詞とも言えるプレーでポイントを奪う決定力やそれをやり切る集中力を見れば、並の選手ではなく本当に持っているなと思わせるプレーヤーです。

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また、自らの強力なサーブに対して強烈なリターンが足元などに返ってきても、それをライジングで上手に跳ね返し、ラリーに持ち込む事ができるだけの上手さもあります。

一旦ラリーに持ち込めば、強力なストローク力で形勢を逆転し、ポイントを奪取する事ができます。

フォアもバックも非常にリターンが良く、甘いサーブに対してはオープンコートに積極的にエースを狙いに行きます。

リターンおよびリターンゲームでの展開

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リターンゲームでは、非常に高確率なリターンと速く深いリターンを起点に展開していくタイプです。

強烈なサーブやフォアハンドばかり取り上げられますが、リターンが非常に上手く高確率で返球できますし、リターンエースを奪ったり、相手の足元へ深いボールを打ち込むなど、リターンゲームでもリターン一発で主導権を握ることができる強烈なリターンの持ち主です。

最近の安定した成績は、リターンゲームでの強さが関係している事は間違いありません。

その証拠に、「リターンゲームの取得率」は非常に高く、ツアーで 6位(28.62%、2020年)というスタッツでも確認することが出来ます。

リターンは、サーブ打ち終わりの相手の足元深くにコントロールし、厳しい体勢での返球から甘いボールを引き出し、その後持ち前のフォアハンドを起点としたストローク展開に持ち込むスタイルです。

相手のサーブに対応できるようになってきた場合には、積極的にオープンコートにリターンエースを狙いに行きます。

タイミングが早く、スイングもコンパクトな為、コースが読みづらいのが特徴です。

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その他の特徴

ハードコートのイメージが強いが、クレーコートでもハードコートのようにプレーする。

ドライブボレーがめちゃめちゃ上手い!ミスしたのを見た事がない。

ガットがすぐ切れる (印象)。何試合かに一回は切っているシーンを見かける。

当て感がすごい。

球際が強い。

タッチショットにもセンスを感じる。

勝者のメンタリティ

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ジュニアでナンバーワンになるなど、ジュニア時代から結果を残しており、若くして勝者のメンタリティを持ち合わせているのも魅力です。

特に ATP 500 の決勝では負けなしの状況であり、あと一つ勝てば優勝という大一番でも怯む事なく、緊張の中でも自分のプレーに徹してそれを遂行し、勝ち切るだけのメンタルを持っています。

ジュニアから活躍しているにも関わらず、燃え尽きることなく、シニアの世界でも勝利を渇望し、勝ちに飢えているのを隠さないトコロも魅力の一つです。

劣勢でも覆す精神力やメンタルの強さも持っています。

優位な状況で強さを発揮するだけでなく、劣勢からでも試合を挽回することができる精神力や集中力は大きな魅力です。

劣勢でも試合を投げ出さず、最後まで食い下がり、逆転でセットを取るなど精神的な強さや負けん気の強さが非常に好感が持てます。

また、試合中の修正力が優れており、例えば第一セットをあっさりと奪われた場合でも、第二セットの立ち上がりから修正して対応できる能力があります。

それをやり切るだけの集中力が高いとも言えます。

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1ポイントに対する執着心が非常に強く、諦めることが無いのもトップになる為の重要な要素となる為、期待できる点です。

一方、自分のプレーが上手くいかなかったり、思い通りにポイントが取れないなどの時は、自分に対して怒りを爆発させることもあります。

特に、ジョコビッチやメドベージェフなどのように、コートカバーリングが脅威的な上に、カウンターで厳しいボールを返球してくる相手に対しては、強打のみの攻撃が通用せず、攻め手を失って困惑することもあります。

しかし、それは自分に対する不甲斐なさに対しての怒りや困惑であり、真剣に勝ちたいと願っている者として沸き起こる感情の一つであり、決して好ましくは無いですが、納得できる範囲内のものです。

むしろ、この負けず嫌いはプロとして成長するために絶対に必要な要素なので、私は好感を持って受け入れています。

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技術的な課題

2019年まではセカンドサーブの威力と確率が課題でしたが、昨年くらいからセカンドサーブにも威力が出てきて、この課題をクリアしつつあります。

セカンドサーブのポイント獲得率も高くなっており、スタッツ的にもそれを証明しています。2nd Serve Points Won は、10位のスタッツとなっています。(53.85%、2020年)

これからの課題は、ネットプレーでしょうか。強力なサーブと強烈なフォアハンドを武器とするベースライナーであるため、ネットプレーの回数は決して多くはなく、またボレーなどのネットプレーも得意とは言い難いところです。今後、MASTERS 1000 やグランドスラムを取る為には、間違いなくネットプレーを増やす必要があります。しかしながら、今年2021年のロッテルダムの S. チチパス戦では、ネットプレーの機会を増やすように積極的にチャレンジしていたのが印象的でした。その試合では、ネットプレーに出た 22回中19回成功させ、ネットプレーの練習もしっかりと行なっているのを証明した結果となりました。強力なサーブやフォアハンドを更に活かし、より上の結果を目指すならネットプレーは大きな助けとなりますし、必須となります。このような試合が出来たことで、また一つ大きな自信を得たことでしょう。

また、今後は ATP MASTERS 1000 での優勝が期待されます。その先に、グランドスラム優勝があると思います。

若手選手であるが故、またプレースタイルが超攻撃的であることに起因して、荒削りの面が垣間見える場面があることやジョコビッチやメドベージェフなどのルブレフの攻撃を交わしながら厳しいところに返球できるプレーヤーに対しては、攻撃の手を欠いてしまい焦り、アンフォースト・エラーが増えて自滅する展開に陥る点は、攻撃とディフェンスのバランスや展開を考えるプレーなどで形勢を逆転する術を身につける必要があると感じます。

これは、ひとえに経験もあるでしょうし、現状のルブレフのプレースタイルの限界とも言えます。ただし、ルブレフの攻撃をそのように跳ね除けることのできるプレーヤーは非常に限られていますので、このスタイルを徹底的に追求するのも一つだと考えています。

それでも私は、ルブレフのテニスに大きな魅力を感じますので、これからも注目していきたいと思います。

使用ラケット

2021年4月20日追記

この「使用ラケット」項目の最後にも記載していますが、ラケットメーカーが判明しました。

ルブレフが使用しているラケットについて、一部のテニス好きの間で気になる方も多く話題となっています。

現在ルブレフは、黒塗りでメーカーのロゴなどが入っていないラケットを使用しており、どこのメーカーのラケットなのか不明な状況です。

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一部では、独特なティアドロップ型の形状などから推測して、非公式ながら「HEAD Gravity Pro」ではないかと推察されています。

ちなみに、2019年までは Wilson のラケットを使用しており、その契約が切れる前に別メーカーのラケットにスイッチしたと考えられます。恐らく、個人的に試打をして感触が良かった為に決断したものと思われます。

私の記憶では、2019年8月17日の ATP MASTERS 1000 シンシナティの準々決勝ダニール・メドベージェフ戦の途中で、Wilson のラケットと件の黒塗りのラケットを試合中に交互に使い分けて試しているシーンが思い出されます。この試合では、最終的に現在も使用していると思われる黒塗りのラケットの使用に落ちついたのを確認できました。

こういった事はたまに見かけますが、それから1年以上経過している現在でも黒塗りのラケットを使用しているので、トップ選手、特にトップ 10 の選手としては珍しいのかなと思います。

これは推測ですが、ジュニア時代から有望選手として知られていたルブレフ選手と Wilson の間にしっかりとした契約があり、その契約が残っている為に、契約上の理由によりルブレフ選手が使用ラケットを明確に公表することができない状況と推察されます。

ちなみに、欧米では選手とメーカーが契約を締結している場合、契約の際には日本では想像できないほど詳細な契約条項が定められています。

その条項を遵守しない場合には、制限やペナルティがあり、契約内容に則さない行動や行為は基本的に許されません。

今回の場合は、ルブレフ側が個人的に他のメーカーのラケットを使用したいという希望があり、契約と異なる他社のラケットを使用する判断をした訳ですから、Wilson 側に非がある訳ではありません。あくまで、ルブレフが契約外の他社製ラケットを使用していることからこのような状況になっています。

とは言うものの、ルブレフファンにとっては、どのメーカーのどのモデルを使用しているか気になるところですが、事実が明らかになる日が楽しみですね。

【※2021年4月20日追記】2021年4月、オーストリアのスポーツ用品メーカーである「HEAD」のラケットを使用していることが明らかになりました

詳細については、下記の「あわせて読みたい」からご覧ください。

あわせて読みたい
アンドレイ・ルブレフ使用ラケットのメーカーとモデルが判明!【HEAD】 男子テニス界の若手トップ選手の一人で、世界ランキング 7 位のアンドレイ・ルブレフ (ロシア) が使用しているラケットのメーカーとモデルが遂に判明しました。 今回の...

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まとめ

以上、ロシアの有力選手、アンドレイ・ルブレフについてのまとめでした。

どうしても、個人的に期待を寄せているルブレフに関する記事が長くなってしまいました。

選手やプレーには好みもありますので、参考程度にご覧いただけると嬉しいです。

では、今後もテニス界の発展のために、テニスを応援して行きましょう‼️

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この記事を書いた人

こんにちは!三度の飯よりテニスが好きな Makolon です。
札幌市在住。テニス観戦歴30年、自らもテニスを嗜み、草大会に参戦中。とにかく、テニスが好きなテニス愛好家。テニスフリーク。週4〜5日でテニスを楽しんでいます。

コーチなどの専門家の視点ではなく、一般プレーヤー側の視点で皆さんに近い立場からテニスに関する情報をお伝えすべく、当ブログや YouTube、SNS などで情報発信していきます。

また、自らもテニスサークルを運営する立場として、サークル運営を円滑に行えるようなツールや情報なども当ブログでご紹介していく予定です。

テニス以外では、米国株を中心に資産運用を行なっている投資家として活動。個人事業主としての活動に着目し、企業に雇用されない生き方を模索中。

ブログ運営も個人として活動する事もすべて初めてであり、今後の展開にワクワクしているところ。

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